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つぐない

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「つぐない」

1930年代のイギリス。官僚の娘セシーリアと使用人の息子ロビーは
身分違いの壁を越えて愛し合っていた。
しかし、幼く多感なセシーリアの妹、ブライオニーの嘘によって、
2人は引き裂かれ、運命の波に翻弄される。
一方で嘘をついた罪の重さを背負って生きるブライオニーの姿が描かれる。


セシーリア役のキーラ・ナイトレイは気位が高い令嬢役がハマっていました。
クラシカルな雰囲気がとっても似合う!
でも主役は妹のブライオニーかと思わされる??

ブライオニーの視点と当事者(セシーリアとロビー)の視点と、
2つの視点の時間軸をずらしながら映画が進行していくところがミステリアス。
加えて、音楽が印象的。タイプライターの音、
シンプルなピアノの旋律が緊張感と神経質さを際立たせます。

映画を見ている方はブライオニーの視点を先に見せられ、
彼女と同様「見てはいけないものを見てしまった」と思う。
続いて、時間軸が少し戻って真実が語られる。

時間軸をずらすことで真実がベールに覆われて
空想の世界に飲み込まれるーーー。
それだけに現実の残酷さが浮き出てくる演出だよー。


大人の世界を覗き見てしまったブライオニーの思い込みと嘘によって、
ロビーは無実の罪で刑務所へ送られてしまう。
その後、セシーリアは看護師として働き、
ロビーは刑を軽くする代償に戦地へと赴くのだった。


戦地のシーンは思った以上に長くて、淡々とした映像だったけれど、
苦しかった・・・。


時は過ぎ、死を目前にしているブライオニーは
作家として最後の作品「贖罪」を書き上げ、
自分の嘘で運命を狂わされたセシーリアとロビーの衝撃的な消息を語る。


それまで信じていた物語が・・・崩れていく・・・ような感覚を味わうことに。

けれども、おそらくその一生のほとんどを贖罪の思いで
過ごすことになったブライオニーもまた哀れ。
結末があまりにも悲しくて、
映画の最初にブライオニーに対して感じた
憎たらしいという気持ちが消えてっちゃう。

彼女は、「贖罪」という小説の中で
叶わなかったつぐないを実現しようとする。
小説を書くことが、作家として生きた彼女の
精一杯のつぐないの方法だったのでしょう。

どんなことをしても決してつぐないきれない、ということをわかっていても
それでも形に残すことで許されたかったのでは・・・。


映画のラスト、海辺のコテージでの幸せそうな2人が
唯一の希望になるとともに悲しみになるのでした。

うーん、息苦しい余韻が残る作品。。。

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原作:イアン・マキューアン 「贖罪」 (ブッカー賞受賞)
監督:ジョー・ライト (「プライドと偏見」)
出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、ロモーラ・ガライ



by audrey07 | 2008-10-28 17:02 | 映画

沖縄旅行記を作成中。
by audrey07
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