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プラナリア / 絶対泣かない

プラナリア
山本 文緒  文藝春秋

現代の無職をめぐる心理を描いた短編集。直木賞受賞作品。



表題作 プラナリア

乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく
「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。
そんな自分に疲れ果てるが、出口は見えない・・・という話。

主人公のひねくれぶりが切ない。

周りが病気は終わったことなんだからという空気でも、
まだ自分にとって終わってないよーとふて腐れているような姿、
露悪的に病気をネタにし、病気をアイデンティティだと
言えば言うほど、どつぼに嵌まる、
自分自身に何の疑いも持っていない人に対するシラけた気持ち、

そのどれもが、ひねくれている自分を自覚してどうにかしなきゃと
わかっていてもできない苛立ち、やるせなさに繋がってきて胸が痛いです。

プラナリアの話に初めて出会って何年も経ったけれど、
未だに色々ハンパねーと思うときに読みます。

他に、“囚われ人のジレンマ”の話もいいですよ。



絶対泣かない
山本 文緒   角川書店

15の職業につく女性それぞれついて書かれた小説集。



一つ一つの章を読んで、話全体がいいというより、
いいなって思う言葉があって、それを拾ってくる感じ。
正直、現実はもっとパねーよというのが感想です(笑)

その中でもよかったのは、フラワーデザイナーの章と看護師の章??
疑問に思う部分もあるけど。
仕事の厳しさとか自信とかについて考えさせられる・・・かな。



山本文緒はこの2作しか読んでないけど、
代表作「恋愛中毒」を読んだことがない私は失格かしら(涙)



by audrey07 | 2008-09-16 18:44 |

沖縄旅行記を作成中。
by audrey07
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